~名勝負列伝-【1】北陽×新田~
本日は1990年4月3日に阪神甲子園球場で行われた第62回選抜高等学校野球大会準決勝第2試合、大阪・北陽高校対愛媛・新田高校戦です。北陽は松岡監督、新田は一色監督の「名将対決」でした。このころはまだDVDがなく、ビデオで録画しようと思い、準決勝2試合なら6時間で大丈夫だろうと思い、120分の3倍モードでセットしたら第一試合も延長13回、この試合が延長17回で録画失敗に終わったのが懐かしい思い出です。
この年の選抜大会は全31試合のうち15試合が1点差勝負、延長戦6試合、サヨナラゲームが5試合と熱戦に次ぐ熱戦でした。その象徴がこの準決勝第2試合、北陽-新田戦でした。
この試合は予定より45分遅れの14時14分に試合開始(第1試合近大付5x-4東海大甲府が延長13回までもつれ込んだ為)。
3-1で迎えた8回裏2死3塁から、2回戦(日大藤沢戦)で逆転サヨナラ3ランホームランを放った4番打者宮下典明がレフトスタンドへ同点ホームラン。9回裏に新田は1死3塁1打サヨナラにスクイズプレイを仕掛けるも空振りし、3塁ランナーも三本間にはさまれタッチアウト。試合はそのまま延長戦へ入り、悪天候も手伝って試合途中から照明も点灯。準決勝では異例のナイターとなりました。
決着が着いたのは17回裏、新田の1番打者池田幸徳が寺前正雄投手の投じた238球目をレフトスタンドへ放り込むサヨナラホームラン。4-3で新田高校が決勝進出を果たしました。
主なエピソード、記録としまして
- 2回戦と準決勝はサヨナラホームランでの勝利をおさめていますが、一大会1チーム2本のサヨナラホームランを記録しているのは春夏通じて新田だけです。この快進撃は「ミラクル新田」と称されました。
- 近大付属高校対東海大甲府高校が延長13回、新田高校対北陽高校が延長17回と、史上初めて準決勝2試合がどちらも延長サヨナラ決着となりました。第一試合の延長13回を一人で投げぬいた近大付属高校の後藤投手は勝利インタビューで「決勝は北陽と大阪決戦をやりたい」と語っていましたが・・・
- 新田は1回戦で1番、2番、3番打者がホームラン。2回戦で4番打者宮下(9回裏逆転サヨナラホームラン)、準々決勝で山本投手がホームランを放っています。(ここまでは全部異なる打者)この試合で2本、大会通算で7本放っていますがこれはPL学園に次ぐ記録です。
- 北陽・寺前選手と、8回裏に同点ツーランを打った新田・宮下選手はこの年、近鉄にドラフト指名されチームメイトとなります。(近鉄に入ってから、この試合のことをよく語り合ったといいます。宮下は『(ホームランを打った打席の)前の打席で打ち取られたカーブ投げられたら打てなかったかも』寺前は『タイミングを外すつもりで、大き目のドロンとしたカーブを投げたが、宮下にとってはドンピシャのタイミングだった』)と語り合ったといいます。
- 新田の話題が多くなりましたが北陽のエピソードも。10年前の1980年の選抜1回戦でも帝京と対戦した北陽、この時は0-2で伊東投手の前に完封負け。帝京は決勝まで進出します。この年も初戦は夏春連覇を目指す帝京と対戦。2-0の9回表に3点を入れられますが9回裏に2点を入れ、4-3で逆転サヨナラ勝ち。松岡監督は「10年前に弱気になって負けたので9回裏は強気に攻めた」と語っています。2回戦、準々決勝も4-3のスコアで勝利、そして4-3のスコアで敗退しました。
最近は延長17回の試合は見なくなりましたが、間違いなく平成の名勝負です。
本日は以上です。
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