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高校野球あれこれ 第41号

名勝負列伝-【20】智辯和歌山×星   稜

<星稜エース奥川、まさに熱闘甲子園>

今年プロ2年目でヤクルトのエースに成長、日本シリーズ開幕投手をつとめたのが当時星稜のエースだった奥川投手。星稜は春の選抜でも優勝候補に挙げられましたがまさかの2回戦敗退。星稜に勝利した習志野は準優勝。

2019年 夏の甲子園

ベストゲームと呼ばれるのが、3回戦の智辯和歌山vs星稜。

大会ナンバーワン奥川投手を擁する星稜に対し、伝統の強力打線持ち味の智辯和歌山。優勝候補同士の対決は大熱戦となった。

今回はこの試合を細かく振り返ることにする。

試合が行われたのは8月17日の土曜日。お盆明けとはいえ週末ということで、前日からチケットを買い求める長蛇の列ができていた。この日は第一試合でも履正社の登場があり、案の定超満員となった。

外野までぎっしり埋まった満員の甲子園で、ついに名勝負が始まる。

先攻智辯和歌山。後攻星稜。

マウンドには星稜奥川。バッターボックスには智辯和歌山黒川。今となってはドラフト1位vsドラフト2位の対決から試合がスタートした。サイレンと共に3塁側智辯和歌山アルプスからはアフリカンシンフォニーの大声援が始まった。黒川に対して初球から3球連続変化球から入る。4球目にインコースへの149kmのストレート。5球目の変化球を引っ掛けセカンドゴロ。さすがの一言。捕手の山瀬のリード面も光った。続く2番細川は見逃し三振、3番西川は外野フライに倒れた。

奥川としては最高の立ち上がりとなった。

対する智辯和歌山の先発は2年生小林。奥川には劣るが、140km後半のストレートが持ち味の本格派右腕。立ち上がり、ストレート中心のピッチング。常時140km超のストレートで、星稜打線を詰めていく。3番知田に四球、4番内山にはヒットを許すものの、5番奥川をインハイの変化球で三振に抑え、ピンチを切り抜ける。小林にとっては少し球数の多い立ち上がりとなったが、両投手共に上々の立ち上がり。

2回はまたも星稜が試合を有利に進める。2回裏、先頭の6番福本がヒットで出塁。続く7番岡田はバント。捕球した小林だが、2塁への悪送球。星稜がチャンスを広げる。その後1死満塁となるが、ここは小林の粘りの投球が上回り、無得点。

3回は両チーム無得点。

4回表。奥川山瀬のバッテリーが一番警戒するのが黒川。追い込んでから投じたのが142kmのフォークボール。奥川が今大会初めて投げたフォークだった。何かこの試合まで隠していたような山瀬の配球。黒川もこの投球には脱帽の様子だった。

試合が動いたのは4回裏。星稜は6番福本が初球を捉えてレフト前ヒットで出塁。バントで送って1死2塁のチャンスを作る。8番大高は三遊間を破るヒットで1塁3塁。このチャンスでバッター山瀬。智辯和歌山守備陣は内野前進守備をとる中、山瀬は確実に外野へ運ぶ。犠牲フライには十分な飛距離のフライ。先制点は星稜。

1点が入ったところで、智辯和歌山は継投に入る。小林に変えて、左の矢田を投入。前の試合明徳義塾戦で先発好投している2年生。矢田は勢いに乗る星稜打線をピシッと抑え、ピンチを切る。

試合は中盤5回へ。まだヒットのない智辯和歌山。何とか奥川を捉えたいところで、チーム1バットコントロールがうまい根来が内野安打で出塁。チーム初ヒット。次のバッターは強打者東妻というところで、奥川の初球は外角154km。ランナーが出たところでギアをまた一段階上げたように見えた。結局東妻は三振に倒れ、この回も無得点に終わる。

5回を終わって星稜が1点リード。ヒット数は星稜4本、智辯が1本。星稜が優位に試合を進めている印象だが、智辯和歌山の投手陣も要所要所で粘りの投球が目立っている。

そして6回。グランド整備で少し時間が空く。流れを変えたい智辯は、先頭の投手矢田に変えて、硲を代打に出す。もうここで、次のイニングからはエース池田の登板が確定された。硲は三振に倒れるも、続く綾原は相手のエラーで出塁。その後2死2塁となり、2番細川。奥川はインコースの厳しいコースへ攻めるも、結果死球となり、1塁2塁。智辯和歌山としてはこの試合初めての得点のチャンス。残り4イニングと少ない中、何としても1点が欲しい場面。バッターは5季連続出場の好打者西川。星稜は守備のタイムを取り、内野手がマウンドに集まる。ここで三塁側智辯和歌山アルプスからは、魔曲「ジョックロック」の演奏が開始される。幾度となく得点を生んできた魔曲。一気に球場の雰囲気が変わる。奥川はこの曲が流れることを非常に恐れていたとのコメントを後日残している。

甲子園経験にも長けた西川には初球変化球でボール。2球目もスライダーでストライク。そして勝負の3球目。西川は真っ直ぐを待っていた。奥川の投じた3球目は少し甘いコースへの真っ直ぐ。西川は打球に逆らわず、右方向へ運んだ。ライト前ヒットとなり、2塁ランナーが一気にホームへ帰って同点。奥川のボールを完璧に捉えたのはこの西川のヒットが初めてだったと思う。それが同点タイムリーとなり、球場のボルテージは最高潮だった。ホームインした2塁ランナーの綾原は、3塁コーチャーが止めていたのにも関わらず、ホームへ突っ込んだ。打球が速かったため、帰れるか微妙なタイミングだったが、あの綾原の好判断がなければこのイニングで得点することはできなかったと思う。そのくらいあの判断は素晴らしかった。

試合は振り出しへ。6回裏からは智辯のエース池田がリリーフ。奥川に対抗するように、150km近い速球と緩急つけた投球が持ち味の投手。ここから球史に残るような投手戦が繰り広げられる。

チャンスを作るのは星稜が多かった。ランナーが2塁に進む場面は何度かあったが、池田の好投、キャッチャー東妻の強肩牽制等もあり、得点には結びつかない。

だが星稜はそれ以上に奥川の好投が光った。8回終了時点で投球数は100球に満たないほど。球威、制球、キレ全てにおいて衰えを感じなかった。

試合は最終回へ。2安打に抑えられている智辯和歌山。先頭は2番細川。奥川の101球目となる152kmのストレートをセンターへはじき返す。この試合初めてノーアウトのランナーが出る。この場面でバッター西川。前の打席でタイムリーを放っている西川。送るか、打たせるか。非常に難しい判断が迫られる場面で、西川はヒッティングへ。結果はセンターフライに終わる。ここは奥川山瀬バッテリーの勝ち。二度も同じバッターに打たれるまいと気迫のピッチングだった。後続も続かず、無得点。

9回裏。点が入ればサヨナラとなる場面。2アウトとなるものの、8番大高が三遊間を破るヒット。サヨナラのランナーが出る。だが池田も気迫のピッチングで、山瀬を3球三振に抑え、延長戦に突入する。

延長10回。智辯はチャンスを作れず、再び星稜裏の攻撃へ。先頭東海林は、池田の低めの変化球をうまくライト前へ運び、ノーアウト1塁とサヨナラのランナーが出る。その後池田の好投もあり、2アウトとするがランナーは2塁へ。一打サヨナラの場面。バッターは4番内山。池田の初球、143kmのストレートは真ん中へ。内山はジャストミートで完璧に打ち返した。ライナー性の打球はセンターへ。打った瞬間は、「決まったか」と一瞬思ったが、打球はセンター細川のグラブへ。飛んだ場所がちょうどセンター守備範囲だった。

延長11回。智辯和歌山黒川の打席の場面。マウンド上の奥川に少し変化が見られた。黒川への3球目を投げ終わったところで、足元が少し気にした。そしてアキレス腱を延ばす仕草をした。軽く足を攣っていたよう。だが次に投じた4球目に度肝を抜かれた。インコース低めの厳しいコースへの真っ直ぐは154kmを計測した。真っ直ぐに強い黒川もフルスイングで応えるも空振り。あのコースにあの真っ直ぐは誰も打てない。黒川が真っ直ぐにかすりもしないほど抑えられる場面は初めて見たような気がする。足が攣りながらあの投球ができるのは本当にすごい潜在能力を秘めたピッチャーなんだなと次元の違いを感じた。

黒川を抑えた後、2番細川に対しては四球。ここでまたも足の痙攣が起きる。だが3番西川を抑え、この回も無得点。

延長11回裏。先頭は奥川。池田の厳しいコースへの投球を見極め、四球を選ぶ。張り詰めたこの雰囲気で、この試合2安打と好調の6番福本。送りバントを試みるが決まらない。追い込まれて外角へのスライダーに手が出て三振。以前サヨナラのチャンスはある中で、7番岡田。池田の変化球を打つも、セカンドへのゴロ。4→6→3のダブルプレーとなりこのイニングも無得点。

延長12回へ入る前、試合は一旦中断する。足の痙攣があった奥川が一度治療に入ったためだ。

これは試合後分かったことだが、足を攣った奥川に対し、智辯和歌山の黒川が熱中症予防の錠剤を渡していた。敵味方関係なく、奥川を助けたい。全力の奥川に打ち勝ちたいとの思いが黒川主将にはあった。奥川もこの錠剤を服用し、延長12回のマウンドに立つことに。お互いに交流がある中で、この甲子園という大舞台で、素晴らしい行動だった。素晴らしいスポーツマンシップ精神だった。

12回表裏は両チーム無得点に終わり、今大会初めてタイブレーク突入が決まった。

無死1、2塁でスタートするタイブレーク。まず先攻の智辯和歌山は7番佐藤からの攻撃。まずはランナーを進塁させるのがセオリーのタイブレークを戦う上で、この佐藤からの攻撃は智辯中谷監督にとっては最高の打順だったとのこと。佐藤はチーム1のバント技術があり、中谷監督はバントの指示を出した。確かに今まで何度も智辯の試合を見ているが、佐藤がバント失敗した場面は記憶にない。初球からバントに行くも、ファール。2球目、ここも連続ファール。3球目もバントに行くも、ピッチャー正面の強いバントになってしまい、捕球した奥川は3塁へ送球。結果バント失敗に終わる。続く池田、綾原は連続三振で無得点。1点でも多く取っておく必要があった智辯和歌山としては、このタイブレーク無得点はあまりにも苦しいものだった。

これで星稜のサヨナラ勝ちの可能性が一気に高まった。1、2塁で、星稜はここで代打新保を送る。星稜林監督も、バントの一番うまい選手を送り出した。バントが成功すれば得点率がかなり上がる場面、智辯和歌山の1塁手、3塁手が一気にチャージをかける。新保のバントはやや強いバントとなり、1塁手佐藤が捕球、サードへ送球しアウト。こちらもバント失敗に終わる。1死1、2塁となるが以前サヨナラのチャンスは変わらず。打順も3番知田と好打順。智辯は外野前進守備を敷く。バッター知田はヒッティングにいくも、レフトフライに。4番内山もサードゴロに倒れ、星稜も無得点。

両チーム進塁すらできないイニングとなった。ビッグイニングも作りやすく得点率の高いタイブレークで両チーム無得点。いかに守りが鍛えられているかが分かるイニングだった。

延長14回に突入。

智辯和歌山は1番黒川からの好打順。ここまで完璧に抑えられていた黒川。初球バントに出る。だが中谷監督からは、明確なバントの支持は出ていなかった。「バントができるボールが来ればやれ。ただ打つ自信があれば打て。」とのことだった。黒川を信頼しているからこその監督の思いだった。黒川は初球セーフティーバントで3塁線際どいコースへ転がす狙いだったが、強めのバントとなり、奥川に捕球されるコースへ。バントは失敗に終わり、チャンスは広がらなかった。打順の巡り合わせがよかったこの回も細川、西川と倒れ、無得点。まだ点が入らない。

再びチャンスが訪れた星稜。今度こそは進塁させたい場面。バッターは奥川。初球こそバントの構えだったが、2球目はヒッティングに変更。ファールになったが、バッティングも良い奥川。いろんな選択肢があった。3球目は再びバントへ。池田の正面に強い当たり。池田は迷わず3塁へ送球。ワンバウンドする送球になったが、サード綾原がうまく捕球し、アウト。星稜もバントが決まらない。

流れはあまり良くない中、6番福本。池田が投じた2球目は真ん中へのスライダー。福本が捉えた打球は左中間スタンドへの3ランホームラン。一瞬で試合に終止符が打たれた。星稜が見事4−1でサヨナラ勝ちを決めた瞬間だった。

星稜ナインが喜びに満ち溢れ、智辯和歌山の池田はマウンドで膝をつく。両チーム死闘を繰り広げた素晴らしい試合だった。

校歌を歌いながら涙を流したのは奥川。智辯和歌山へのリスペクトと、そのチームに勝った嬉しさで感極まった。甲子園前から交流のあった両チーム。お互いに認め合っているからこそ、あのような素晴らしい熱戦になったに違いない。

2019年夏の甲子園のベストゲームの呼び声が高いこの試合。まさに球史に残る歴史的大熱戦だった。

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