大阪桐蔭の練習量「そこまでやるか」 泥臭さで先輩もPLも超えた
(3月31日、第94回選抜高等学校野球大会 決勝、近江1-18大阪桐蔭)
悪夢を振り払う打球が低い弾道で左翼ポール際に伸びていく。
「よしっ」
両手に伝わる感触で、大阪桐蔭の松尾汐恩(しおん)は確信した。三回無死一塁。リードを4点に広げる一発を放ち、ベンチに向かって拳を突き上げた。
淡いブルーのユニホームを前に、7カ月半前の記憶がよみがえった。
昨夏の全国選手権の2回戦。この日と同じ相手、近江に4―6で逆転負けした。その試合でただ一人、下級生で先発メンバーに名を連ねていたのが捕手の松尾だった。
後にプロ野球オリックスに進む強打者の池田陵真、日本ハムに進む本格派左腕、松浦慶斗らを擁し、優勝候補の筆頭に挙げられながら、近畿のライバルに屈した。選抜でも智弁学園(奈良)に初戦で敗れていた。
あふれる涙をぬぐいながら、感じた。
「甲子園は怖い」
「この先輩たちでも勝てないんか」
その思いは、アルプス席で応援していた主将の星子天真や、ベンチ横でボールボーイをしていた左腕の前田悠伍(2年)も同じだった。
「もっともっと練習をせなあかん」
先輩たちに比べて実力がない、と自覚する選手たちの猛練習が始まった。
秋、前田が大黒柱に成長し、3番の松尾らが打線を引っ張った。4試合で計31得点2失点と他を寄せ付けず、近畿大会を制した。
明治神宮大会も3試合で28点を奪って初優勝した。これまでの先輩たちでも届かなかった秋の頂点に立っても、慢心などない。
「たまたま」「まだまだ」。選手は口々に言った。
12月の強化練習。グラウンド1周(約330メートル)を10本走る大阪桐蔭の名物メニューを終えても、訴えた。
「もっと練習させてください」と。
西谷浩一監督(52)やコーチらを驚かせた。
そこまでやるか――。
周囲にそう思わせよう。それがチームのテーマになった。
それまでは練習で意識することを声で伝え合ってきたが、文字にして頭にたたきこんだ。
星子らが「全力疾走」「ありがとうございますのあいさつ」などとA4の用紙に手書きしたものをコピーして全員に配った。
今大会の開幕直前、気持ちを新たにする出来事があった。3月10日の練習試合で、選抜でメンバー登録されていた投手が、一塁へのゴロで全力疾走した。
勢いあまってベースを踏むときに交錯しそうになった相手一塁手をよけようとして、右足首を骨折した。
「投手なのに、そこまでやるか」「平凡なゴロなのに、そこまでやるか」
この投手はメンバーを外れてしまったが、チームの士気はより高まった。
17得点した準々決勝では6本の本塁打を放ち、桑田真澄、清原和博らを擁した同じ大阪のPL学園が第56回大会(1984年)で記録したチーム1試合最多本塁打に並んだ。
準決勝でも松尾の本塁打を含む19安打を放って13点を奪った。
近江への雪辱を期した決勝ではさらに4本塁打などで18点を奪って圧倒した。
準々決勝からの3試合すべてで2桁得点しての優勝は、第78回(2006年)の横浜以来、大会史上2度目。
どれだけ得点を重ねても、決して攻撃の手を緩めず、大会を通じて放った本塁打は11本。38年前にPL学園がマークした大会通算最多本塁打記録の8本を大幅に更新した。
大阪桐蔭が、新チーム結成後の公式戦を無敗で春の頂に立つのは初めてだ。
恐怖心を原点にスタートした「弱小チーム」が、先輩を超え、あのPL学園をも超えた。
それでも、星子はきりっとした顔で言う。
「明日から夏の頂点をめざしてやっていく。気が抜けません」
どこまでも貪欲(どんよく)だ。
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