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高校野球あれこれ 第75号

高校野球】 “強い横浜”へ信念を持って戦い続ける村田浩明監督と選手たち

 

秋季関東大会が幕を開けた10月22日、埼玉・大宮公園野球場のベンチ裏で、出番を待つ横浜・村田浩明監督(36)と偶然に顔を合わせた。

 「思い出深い球場なんです。高校3年秋の国体の決勝で、ダルビッシュ投手の東北(宮城)を破って優勝しましたからね」。当時、横浜の捕手だった村田監督は、現中日の涌井秀章投手(36)をリードし勝利に貢献した。

 笑顔で別れ、縁起のいいグラウンドで迎えた開幕戦は、埼玉の強豪・浦和学院に2―0で勝利した。来春のセンバツ出場に当確ランプがともる4強入りまで“あと1勝”。ところが、準々決勝は高崎健康福祉大高崎(群馬)に2―5で競り負けた。2試合の安打数は計10本。一方で残塁は20にのぼり、打撃面に物足りなさが残った。

 一昨年4月、村田監督は、部員への暴言や暴力行為により前監督が解任された後、名門の再建を託されて就任した。2021、22年と夏の甲子園に出場。着実に成果を積み上げている。「横浜高校らしい守備、走塁の基盤は出来てきました。それでも、打てないという課題が出たので、つぶしていかなければ。振って振って覚える。例年の倍以上は振っていますよ」と前を見据えた。

 左腕エースの杉山遥希投手、主将の緒方漣遊撃手ら2年生は、監督に就任して初めてスカウトした世代。1年夏から甲子園の舞台に立つなど経験値は高い。「自分たちの代で甲子園に行ってこそ、本当の価値がある。最上級生として引っ張ってほしい。それが役目だと思います」。思い入れが強いからこそ、求めるレベルは高くなる。

 来春センバツの選考委員会は、来年1月27日に開かれる。夏春連続の甲子園出場を願う一方で、村田監督は強い決意を口にする。「選手には『夏、秋に続いて来春の神奈川大会も優勝して、旗を3本そろえよう』と言っているんです。この冬、神奈川県で最も高いモチベーションを持って練習出来るのは自分たちですから」。全国大会でも堂々と勝ち上がっていく“強い横浜”を目指して練習に取り組む日々。どのような状況にあっても、指揮官と選手の思いに一切のブレはない。