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高校野球あれこれ 第94号

センバツ甲子園「ベスト8」を予想した  注目の大阪桐蔭仙台育英は勝ち上がれるか

 

3月18日に開幕するセンバツ高校野球大会。10日には組合せ抽選会が行われ、初戦の対戦カードが決まった。第95回の記念大会ということで例年よりも4校多い36校が出場するが、各ブロックを勝ち抜いて準々決勝に進出するチームはどこになるのか。秋季大会の戦いぶりなどから予想してみたいと思う。

 

*  *  *

 

第1ブロック

 

大分商(大分)、作新学院(栃木)、英明(香川)、智弁和歌山(和歌山)

 

 伝統校が多く揃うブロックとなったが、総合力で頭一つ抜けているのは智弁和歌山だ。3番の青山達史(3年)、4番の中塚遥翔(3年)を中心とした強力打線が大きな強みで、安定感には欠けるものの力のある投手も揃う。初戦で対戦する四国チャンピオンの英明は秋に好投した技巧派右腕の下村健太郎(3年)の出来がカギとなりそうだ。作新学院もチームのタイプとしてはよく似ているだけに、この2校が3回戦で対戦することになれば打ち合いが予想されるが、総合力ではやはり智弁和歌山を推したい。

 

第2ブロック

 

光(山口)、彦根総合(滋賀)、氷見(富山)、東北(宮城)山梨学院(山梨)

 

 開幕カードで対戦する東北と山梨学院が中心となる。東北はプロ注目の大型右腕、ハッブス大起(3年)を中心とした堅実な戦い方が持ち味で接戦に強い。一方の山梨学院は強打で関東大会を制した。力の差はないと思われるが、投手の疲労がない初戦ということで東北を1番手として推したい。残りは初出場2校、21世紀枠1校ということで勝ち進むのは厳しそうだが、いずれも好投手を擁するだけに、何とかロースコアの展開に持ち込んで勝機を見出したいところだ。

 

第3ブロック

 

北陸(福井)、高知(高知)、履正社(大阪)、常葉大菊川(静岡)、専大松戸(千葉)

 

 近畿大会ベスト8ながら総合力が高く優勝候補の一角と見られる履正社が中心。投手、野手とも旧チームから経験のある選手が揃い、個々の能力の高さは今大会でも屈指である。秋は少し不安定だった投手陣の調子が上がってくれば頂点も狙えるチームである。対抗は今大会ナンバーワン右腕の呼び声が高い平野大地(3年)を擁する専大松戸だ。最速151キロのスピードが大きく報じられるが、変化球も高レベルで試合を作る能力も高い。3回戦で履正社打線と対戦になれば面白い展開となりそうだが、チーム力を考えるとやはり履正社が突破する可能性が高いだろう。

 

第4ブロック

 

海星(長崎)、社(兵庫)、二松学舎大付(東京)、広陵(広島)

 

 明治神宮大会で2年連続準優勝の広陵が順当に勝ち進むと予想したい。大型スラッガーの真鍋慧(3年)に注目が集まるが、それ以外にも力のある野手が揃い、長打、小技、機動力などあらゆる形で得点できる。投手陣も1年から背番号1を背負った高尾響(2年)に加えて大型左腕の倉重聡(3年)が成長したのが大きい。新チーム結成から明治神宮大会決勝で大阪桐蔭に敗れるまで練習試合を含めて50連勝を記録したのは見事という他ない。対抗は初戦で対戦する二松学舎大付だ。4季連続での甲子園出場となり、昨年夏に甲子園で2勝をマークした時のメンバーも多く残っている。広陵打線を上手く抑え込むことができれば、勝機も見えてくるだろう。

 

第5ブロック

 

敦賀気比(福井)、大阪桐蔭(大阪)、能代松陽(秋田)、石橋(栃木)

 

 史上初となる2度目のセンバツ連覇を目指す大阪桐蔭が順当に勝ち進むと予想した。初戦で対戦する敦賀気比は2015年のセンバツで大敗を喫したこともあり、決して簡単な相手ではないが、今年の戦力を考えると大阪桐蔭の優位は揺るがないだろう。世代ナンバーワンの呼び声高いエースの前田悠伍(3年)は調子が悪くても試合を作ることができ、疲労のない状態の初戦ということを考えても大崩れする可能性は低い。残る2校では昨年夏も出場した能代松陽も面白いチームだが、大阪桐蔭との戦力差は大きく、エースの森岡大智(3年)が一世一代の投球をすることが互角に戦う最低条件となりそうだ。

 

第6ブロック

 

城東(徳島)、東海大菅生(東京)、クラーク記念国際(北海道)、大垣日大(岐阜)、沖縄尚学(沖縄)

 

 昨年秋の地区大会優勝校が3校揃う激戦のゾーンとなった。攻守のバランスの良さでは九州チャンピオンの沖縄尚学がリードしているように見えるが、1回戦からの登場で3試合を勝ち抜く必要があり、エースの東恩納蒼(3年)に次ぐ投手に不安があることも考えると、一番手としては東海大菅生を推したい。やはり大きいのはエースの日当直喜(3年)の存在だ。明治神宮大会では右肩の違和感で1回降板となったが、秋の東京都大会では準決勝、決勝を1人で投げ抜くなど安定感は抜群。初戦が21世紀枠の城東ということで、力の差があるというのもプラスとなりそうだ。

 

第7ブロック

 

東邦(愛知)、鳥取城北鳥取)、高松商(香川)、健大高崎(群馬)、報徳学園(兵庫)

 

 第6ブロックと並んで強豪が揃うゾーンとなった。中でも東邦、健大高崎報徳学園の3校が有力だが、総合的に考えて報徳学園を推したい。高校ナンバーワン捕手の堀柊那(3年)、アマチュア全体でもトップクラスの脚力を誇るセンターの岩本聖冬生(3年)などセンターラインの選手のレベルが高く、エースの盛田智矢(3年)も安定感がある。健大高崎との対戦は初戦で最注目といえる好カードで、厳しい戦いになりそうだが、ここを乗り越えれば一気に勢いに乗ることも期待できるだろう。

 

第8ブロック

 

龍谷大平安(京都)、長崎日大(長崎)、慶応(神奈川)、仙台育英(宮城)

 

 甲子園夏春連覇を目指す仙台育英が一番手だ。秋は得点力不足に苦しんだが、高橋煌稀(3年)、仁田陽翔(3年)、湯田統真(3年)の強力投手陣は今大会でも屈指の実力を誇り、守備が安定しているのも大きな強みだ。ロースコアの展開に持ち込むことができれば、勝ち進む可能性は高いだろう。対抗としては2年連続のセンバツ出場となる長崎日大を推したい。昨年夏のレギュラーは1人しか残っていないが、強肩強打の捕手、豊田喜一(3年)の存在が大きく、西尾海純(2年)、広田樹大(3年)と力のある投手が2人揃っているのは大きい。伝統校が多いブロックで前評判は高くないが、ダークホースとして面白い存在になりそうだ。