2強時代に風穴あける春季大会Vの衝撃
新時代の幕開けか。
12日の春季高校野球大阪府大会決勝で、大阪学院大高が興国を4-1で下して初優勝。4回戦で履正社、準々決勝で大阪桐蔭と両横綱を撃破した勢いそのままに、大阪の頂点に立った。
「大阪桐蔭、履正社に勝ってプレッシャーになっていたが、一試合一試合強くなった。高校生の成長はすごい」とは、昨年3月に就任したばかりの辻盛英一監督(48)。異色の経歴の持ち主だ。
大阪市立大経済学部を卒業後、三井住友銀行からメットライフ生命を経て独立し、現在は自ら創業した法人専門の保険代理店「株式会社ライフメトリクス」の代表取締役社長を務めている。大院大高の野球部を率いるだけではなく、従業員22人を指揮する会社の監督でもあるのだ。
「保険会社勤務時代の営業成績は13年連続でトップだったそうです。<営業は自分の『特別』を売りなさい>や<『月5日営業』で1億かせぐ働き方>など何冊ものビジネス書を出版し、企業の営業マン向けの研修も主催している。ビジネスで得た知見、ノウハウを野球部の指導やマネジメントに生かしており、練習では選手の自主性を尊重しながら、弾道測定機器のラプソードを導入し、動作解析担当のコーチを置いて根拠となるデータを提示。その成果を見せる場となる試合では基本的にノーサインの超攻撃野球を標榜している。実際、犠打ゼロで履正社、大阪桐蔭を破った。辻盛監督は2010年から22年まで率いた大阪市立大でも、17年秋に24年ぶりとなる近畿学生リーグ優勝に導いています」(在阪マスコミ関係者)
異例の社長兼任監督の下、チームには今秋のドラフト候補にも挙げられる選手も台頭している。この日の決勝に「3番・遊撃」で先発出場した今坂幸暉(3年)が4打数2安打1打点。今大会打率5割と打ちまくった右投げ左打ちのショートは複数のプロ球団にリストアップされている。
大院大高はあの江夏豊氏の母校として知られるものの、甲子園出場は8強入りした1996年春の1回のみ。
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