近畿のセンバツ「公立枠」ピンチ!近畿大会出場4校が全て敗退。最速151キロ剛腕も、大阪桐蔭に屈す!
センバツをめざす近畿大会が始まった。甲子園常連校が実力を発揮して勝ち進んだ一方、4校が出場した公立は全て、1回戦で姿を消した。全国的な「強豪私学全盛」の流れは止められず、今夏は出場49校中、公立はわずか6校で、これは史上最少。来春もこの流れは続くとみられ、もはや公立校は希少価値とさえ言える。
乙訓は滋賀学園に先手を取られ、逃げ切られる
さて近畿大会では、1週目に公立4校が登場した。初日に登場した府立乙訓(京都2位)は、今春センバツ出場の滋賀学園(滋賀3位)と対戦。乙訓は前チームからのメンバーが多く残り、戦力的には互角とみられていたが、甲子園経験豊富な滋賀学園に先手を取られ、挽回した直後に失点する展開で、2-5で逃げ切りを許した。市川靖久監督(42)は、「自分たちの流れでやれなかった。劣勢の時にどういう野球ができるか」と、課題を挙げた。
市尼崎はエースが制球を乱し、近江にコールド負け
2日目は3試合とも公立が強豪私学と対戦する構図で、市尼崎(兵庫2位)は近江(滋賀1位)に挑んだ。市尼崎は、低めの変化球が武器の右腕・塩沢魁矢(2年)が本調子ではなく、初回から4つの四死球を与えるなど2失点。4回まで1-2と食い下がったが、5回に4失点すると、近江打線に飲み込まれ、1-9で7回コールド負けを喫した。攻撃陣は、近江のエース・上田健介(2年)から四死球を得て再三、塁上をにぎわせたが、わずか1安打で力負けした。塩沢は兵庫大会のような制球力が影を潜め、5回1/3を投げて8安打9失点(自責8)で、四死球8と、悔いの残る投球内容だった。
彦根東はミスから失点し、天理に完敗
続いて、文武両道の名門として知られる県立彦根東(滋賀2位)が、前チームで春夏連続甲子園出場の天理(奈良2位)と対戦した。彦根東はエース・垣谷理公(2年)が先発。しかし立ち上がりから制球が安定せず、押し出し四球で先手を奪われると、4回には自らのけん制悪送球などでピンチを広げ、3点差に突き放された。攻撃陣は、天理のエース・長尾亮大(2年)の球威に押され、決定打を奪えない。垣谷を救援した2投手も失点を重ね、0-7の7回コールドで完敗した。彦根東の小島義博監督(39)は、「ミスからの失点は重たい」と、4回の守りを悔やんでいた。
市和歌山の最速151キロ右腕は初回の失策を悔やむ
そして1回戦屈指の好カードとなった市和歌山(和歌山2位)と大阪桐蔭(大阪2位)の試合は、予想外の展開となった。市和歌山の最速151キロ右腕・丹羽涼介(2年=タイトル写真)は初回、送りバントの三塁封殺を狙って悪送球し、いきなり2点を失う。その後も制球が安定せず、3回には大阪桐蔭の4番・谷渕瑛仁(2年)に痛打されるなど、主導権を渡した。攻撃陣は5回に、7番・今城陽良(いまき・ひろ=1年)の適時打で1-3と追い上げたが、丹羽が7回に決定的な2点を奪われ、最終スコア1-7で完敗した。丹羽は8回を投げて10安打5失点(自責1)で、三振と四球がいずれも7つ。166球と、制球に苦しんだ。丹羽は「(初回の自身の失策は)気持ちの焦りがあり、もったいない失点だった」と、立ち上がりを残念がっていた。
センバツに近畿の「公立枠」は存在するのか?
センバツでは大正13(1924)年の第1回大会から今年の97回大会まで、近畿から必ず、公立校が選ばれている。ファンの間では、「近畿には『公立枠』が存在する」とまで言われるほどだ。もちろんこのようなルールが存在するはずはない(と思う)。今年、大阪勢が98年ぶりにセンバツへ出場校を送り込めなかった。かつては近畿大会で全校が初戦敗退しても、大阪から選出された経緯もあって、センバツには「大阪枠」が存在するとまで言われたものだ。それに続く「公立枠」の行方は、来春、最大の関心事になるかもしれない。
過去3度の私立独占は、「21世紀枠」で公立選出
ちなみに、近畿のいわゆる「一般枠」が私立で占められた過去はある。平成22(2010)年、同26(2014)年、同27(2015)年の3回で、この時はいずれも「21世紀枠」で公立が選ばれた。今大会の公立勢の試合ぶりから、今後、優勝争いがどのような展開になっても、上記4校が選出される可能性はかなり低いと言わざるを得ない。まずは12月に予定される、21世紀枠の近畿の推薦校発表も気になるところだ。
