ぼくらのサイトⅢ

スポーツ、特に高校野球の記事を中心にして、監督、伝説の試合、結果考察などを記しています。 記事に関連した書籍やコーヒー機能付きウォーターサーバー、  生ビールサーバーを紹介しています。

高校野球あれこれ 第252号

当落線上に優勝候補!関東・東京の抱き合わせ枠と九州が得た神宮枠の行方に注目!30日にセンバツ選考会

 第98回センバツ高校野球大会の選考会が、今週金曜日の30日に迫っている。一般枠は言うまでもなく、昨秋の地区大会の成績が全てとなるだけに、当落線上のチームにとっては、気が気でない日々が続いていることだろう。特に今回は、選出されれば本大会でも優勝候補に挙げられるような強豪が、微妙な状況下にある。選考結果次第では、本大会の優勝争いにも大きな影響が出てきそうだ。

選出次第では本大会の優勝争いにも影響か

 注目点は、関東・東京のいわゆる「抱き合わせ枠」の行方と、九州国際大付(福岡)が昨秋の明治神宮大会で優勝して得た九州の5校目だ。この当落線上にいる2校は、いずれも前チームが春夏連続出場し、それぞれ頂点に立った。しかも、優勝に貢献した主戦投手が健在となれば、本大会でも有力な優勝候補と言える。かといって、比較対象となるチームにとっても貴重な甲子園出場の好機であるから、「名前」だけで選ぶようなことがあってはならないと思っている。

関東の5番手に浮上は好投手・織田の横浜か

 関東5番手と東京2番手を比較する抱き合わせ枠は、これまでから「基準がわかりにくい」「忖度があるのでは」といった意見が出ている。どちらが強いかなど、対戦してみなければわからないし、いずれにしてもあいまいさはぬぐえない。準々決勝敗退組から今回の関東5番手は、横浜(神奈川)と予想する。浦和学院(埼玉)も有力視されるが、同県の花咲徳栄が関東で準優勝し選出確実で、浦和学院は県での直接対決でも敗れているため、ここは激戦・神奈川1位がモノを言いそう。さらに世代屈指の右腕・織田翔希(2年)を筆頭に、強打の小野舜友(2年=主将)、遊撃手として攻守で牽引する池田聖摩(2年)ら前チームから活躍する野手陣も経験豊富。センバツで優勝した前チームと遜色ない陣容だ。

東京2番手の関東一は打線に迫力

 対する東京の2番手は、都大会準優勝の関東一になるだろう。昨夏は8強入りし、新チームスタートが遅れた上に、メンバー一新という中、打線の活躍で決勝まで勝ち進んだ。決勝の帝京戦は、序盤の3回に一挙8点を奪われ、懸命に挽回したが4-8で敗れた。横浜と比較すれば、選手個々の能力は少し譲るかもしれないが、関東一には1年生の楽しみな選手も多く、都大会で4割超の打線は迫力十分。選考会では激論が交わされるだろう。ちなみに関東の上位4校は、優勝の山梨学院を筆頭に、徳栄、横浜を破った専大松戸(千葉)、元阪神麦倉洋一監督(54)率いる佐野日大(栃木)が続く。

九州の5番手は沖縄尚学と小林西の争い

 そして昨秋、神宮大会終了後に俄然、注目されたのが九州だ。九州は秋の4強で決まることが多く、今回も九州国際大付長崎日大神村学園(鹿児島)、熊本工ですんなり落ち着くとみられていた。しかし、九州国際大付の頑張りで1枠増となり、その恩恵にあずかるチームがどこか、予断を許さなくなってきた。8強止まりだったチームから、準々決勝の試合内容から浮上するのが、昨夏の全国優勝校・沖縄尚学小林西(宮崎)になるだろう。ともに県1位であり、沖縄尚学が神村に1-4、小林西が長崎日大に1-4と奇しくも同じスコアで敗れた。

沖縄尚学夏春連覇への期待か、小林西のフレッシュさか

 沖縄尚学は、夏の全国制覇に貢献し、その後の高校日本代表に2年生で唯一、選ばれた左腕・末吉良丞と好右腕・新垣有絃(2年)の左右両輪が健在。ただ総入れ替えとなった野手陣が、攻守にわたって投手を援護できなかった。末吉は、高校代表戦での疲労が抜け切らず、九州大会では救援で4イニングのみの登板となったのも響いた。このあたりがどこまで加味されるか。小林西は上位打線に1年生が並ぶイキのいいチームで、その分、伸びしろも大きい。数字やデータを見る限り、全くの互角と言える。ストロングポイントは、沖縄尚学が抜群の投手力夏春連覇への期待、小林西は、センバツ未経験(夏は1回出場)と下級生の台頭というフレッシュさ。議論百出は間違いなく、選考結果とともに、選出理由にも注目したい。

東北と東海の3番手は準決勝敗退校で比較

 そのほかでは、3校枠となる東北と東海も簡単ではないだろう。東北は準決勝で、優勝校の花巻東(岩手)に1-4で敗れた東北(宮城)と、八戸学院光星(青森)に0-7で敗れた聖光学院(福島)の争い。スコア上は東北有利と思われるが、聖光は優勝候補だった仙台育英(宮城)を破っていて、光星戦の完封負けも安打数では相手を上回った。スコアほどの実力差はないとみられ、選考委員がどう判断するか。東海は、優勝校の中京大中京(愛知)に準決勝で4-6と善戦した大垣日大(岐阜)がやや有利。世代屈指の左腕・高部陸(2年)擁する聖隷クリストファー(静岡)は、三重に2-10でのコールド負けが痛恨で、高部の好評価を逆転の材料にしたい。

近畿は兵庫と滋賀から2校選出か

 毎年、難解な近畿は、準々決勝の試合内容が明暗を分けそうだ。上位の神戸国際大付(兵庫)、智弁学園(奈良)、大阪桐蔭滋賀学園に続き、継続試合で智弁に食い下がった東洋大姫路(兵庫)と、滋賀対決で滋賀学園にサヨナラ負けの近江が有望。東洋大姫路は前チームほどの完成度ではないが、巧みな試合運びと堅守が光る。近江は県大会では滋賀学園を破っていて、実力は互角だ。神戸国際大付無安打無得点で敗れた橿原学院(奈良)は甲子園未経験で、京都1位の龍谷大平安を破った殊勲の星がどこまで評価されるか。天理(奈良)は大阪桐蔭に投打で圧倒され、コールド負けを喫した。京都と和歌山は初戦突破校がなく、逆転は苦しい。昨年まで近畿からは必ず、公立校が選ばれていたが、今回は線上に浮上するチームは見当たらない。

新潟勢が初の北信越ワンツー

 2校枠の北信越と中国、四国は上位2校で決まりそうだ。初の新潟同士の決勝が話題となった北信越は、甲子園未経験の帝京長岡が優勝し、日本文理が続く。県大会では文理が勝っている。準決勝で、帝京長岡は星稜(石川)を、日本文理敦賀気比(福井)を、ともに1点差で退けた。近年の北信越2強を破った新潟勢の実力を、本番のセンバツでも発揮してもらいたい。中国は、あと一歩で甲子園を逃し続けていた崇徳(広島)と、高川学園(山口)の2校が盤石。崇徳は左腕の徳丸凛空(2年)、高川は夏の甲子園でも好投した右腕・木下瑛二(2年)と、ともに好投手を擁する。四国も英明(香川)と阿南光(徳島)のワンツーで決まりか。英明は、近年の四国を牽引する明徳義塾(高知)を1点差で破った勝負強さが光る。英明との試合内容だけなら明徳も可能性は残すが、決勝まで進んだ公立の阿南光が優位だろう。また1校の北海道は、北照が確実。エース・島田爽介(2年)が準決勝、決勝で2試合連続完封した。

21世紀枠は9校が横一線

 昨年の壱岐(長崎)のような「鉄板候補」が見当たらず、伝統校と困難克服校が混在して横一線。伝統校で今チームに限っての実績なら、昨秋九州大会8強の長崎西が筆頭だろう。甲子園実績では、優勝経験のある四日市(三重)をはじめ、上尾(埼玉)、郡山(奈良)、若狭(福井)もそれぞれ4強経験があり、黙ってはいない。山口県鴻城は、私学2校目の21世紀枠選出を狙う。名取北(宮城)は、プロの名投手がOBにいて、東北大会では甲子園常連校と好勝負を演じた。冬期の気候に恵まれない士別翔雲(北海道)は、北海道で唯一、甲子園出場校がない名寄地区にあり、選ばれれば最北の出場校になる。明徳を県大会でタイブレークまで追い詰めた高知農は、慢性的な部員不足と、実習授業などで部員が揃って練習ができないハンディを乗り越えてきた。当日のプレゼンテーションでは、9校それぞれがアピールポイントをいかに力説できるかだろう。