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高校野球あれこれ 第254号

甲子園勝ち数、勝率最下位の新潟と近畿の優勝未経験・滋賀からセンバツに2校出場!両県に共通することは?

 センバツの出場校発表から10日あまり。出場が決まったチームの選手たちは、晴れの舞台での活躍を夢見て、練習に励んでいることだろう。地元の盛り上がりもさぞかしと察する。

センバツの2校出場は4県

 出場32校を見渡して、「あれ?」と思われたファンも少なくないだろう。1県1校が定着(北海道と東京は2校)している夏と違って、センバツには出場校のない県や複数校が出場する県があり、それも春の特徴としてファンにはとらえられている。今回は2校出場の県が4つ(新潟、滋賀、兵庫、長崎)あり、特にこれまであまり複数校出場のなかった新潟と滋賀からの「アベック出場」には、驚かれた方も少なくなかったのではないだろうか。新潟はセンバツで、滋賀は夏の甲子園で、初勝利が一番遅かった県でもある。

新潟は勝ち星、勝率とも全国最下位

 新潟は今冬がそうであるように、冬場の気候が特に厳しい。積雪量も全国屈指だ。また県が東西に広いこともあって、有望球児が分散する傾向にあった。春夏甲子園での通算勝ち星は32で、これは全国最少。また勝率.296も全国ワーストとなっている。センバツでは2005(平成17)年に、今大会にも出場する日本文理が、高崎商(群馬)に勝ったのが初勝利で、それまで6連敗を喫していた。ちなみに昨年までのセンバツの延べ出場回数12も全国最少で、今回の文理と帝京長岡の出場は、新潟勢12年ぶりのセンバツとなる。前回の2校出場時は、21世紀枠佐渡が含まれていたため、実力でつかんだ初の快挙と言える。

昨秋は北信越で初めての新潟勢決勝

 わずか2枠の北信越センバツに選ばれるとなれば、まずは決勝進出が求められる。昨秋は、県1位の文理が敦賀気比(福井)に7-6で勝ち、同3位の帝京長岡は星稜(石川)を2-1で振り切った。近年のこの地区を牽引する2校を、いずれも1点差で破っただけに価値がある。こうして北信越では初めての新潟勢同士の決勝となり、試合は帝京長岡が文理を5-4で破って、県大会の雪辱を果たすとともに、同校にとって初めての甲子園出場を大きく手繰り寄せることになった。帝京長岡を率いる芝草宇宙監督(56)は、帝京(東京)時代、夏の甲子園無安打無得点の快投を演じた名投手で、日本ハムで通算46勝を挙げた。また文理は、2009(平成21)年の夏の甲子園決勝で、中京大中京(愛知)と球史に残る名勝負を演じ、新潟勢初の甲子園準優勝に輝いた。ちなみにセンバツにおける県勢3勝はすべて文理によるものである。今大会には、帝京、中京大中京も出ていて、センバツで因縁の対戦が実現する可能性もある。

滋賀は京都に負け続け、全国最少の夏の出場回数

 滋賀は長く、強豪ぞろいの近畿で苦戦が続いていた。春夏通算の甲子園勝ち星も、400勝(全国1位)の大阪を筆頭に、328勝(3位)の兵庫、239勝(5位)の和歌山、215勝(8位)の京都、153勝(12位)の奈良から大きく引き離される69勝で、全国35位タイとなっている。以前、深掘りしたように、滋賀は京都と夏の出場権を争う構図が続き、全く京都勢に歯が立たなかった。1県1校になるまでの夏の出場はわずか8回にとどまり、京都との対戦は4勝46敗という一方的なものだった。こうしたことから、夏の滋賀勢の初勝利は全国で最も遅い1979(昭和54)年。比叡山が、釧路工(北北海道)を12-4で破った試合だった。それまで夏に関しては9連敗で、夏の出場回数は現行制度が変更にならない限り、滋賀が全国最少となる。

2年連続2校も、滋賀の優勝への課題は?

 その滋賀勢が、一昨年の秋の近畿大会初戦で大阪勢を連破して、昨年の2校出場につなげ、昨秋も近畿で存在感を示した。今回出場する近江滋賀学園は、近年の滋賀2強で、秋の県大会では近江がタイブレークの熱戦を制した。そして再戦となった近畿大会では、1-1から滋賀学園が9回サヨナラ勝ち(タイトル写真)での雪辱と、実力的にも互角。近年の甲子園での活躍が示す通り、強豪ぞろいの近畿でも堂々と渡り合えるようになり、2年連続3回目の複数校出場となった。近畿で唯一、甲子園での優勝がなく、その期待も高まる。近年の甲子園優勝投手の中で、大阪桐蔭前田悠伍ソフトバンク)、京都国際の西村一(中大進学)、横浜(神奈川)の奥村頼人(ロッテ)は、いずれも滋賀の出身。有望選手の県外流出阻止が、悲願への大きな課題となっている。

新潟と滋賀は出場回数に恵まれず、初勝利が遅れた

 長く甲子園で苦戦が続いていた新潟と滋賀の共通点は、春と夏との違いこそあれ、初勝利が全国で最も遅かったこと。その要因として、出場回数に恵まれなかったことが挙げられる。滋賀の夏の出場回数最少は変えようもないが、センバツの新潟は、北信越で活躍すれば他県を抜くことができる。今回の2校出場で、延べ出場回数は山形と並ぶことになった。出場校発表の日、新潟も滋賀も雪が積もっていた。長い冬に耐えた先に、センバツでの熱い戦いが待っている。