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高校野球あれこれ 第259号

センバツのビッグ3が消えた!あの投打二刀流・菰田はチーム進撃も、無念の負傷離脱に!

 19日に開幕した第98回のセンバツは、24日の第1試合で1回戦が終わり、8強入りを懸けた戦いが始まる。大会前から注目された「ビッグ3」を擁する沖縄尚学横浜(神奈川)はいずれも初戦敗退。山梨学院は初戦突破を果たしたが、この試合で注目の「投打二刀流」菰田陽生(3年・主将=タイトル写真)が守備の際に負傷。左手首の骨折が判明して、大垣日大(岐阜)との2回戦以降の試合出場が絶望的となった。

菰田の初戦は「2番一塁手」でスタメン

 筆者は山梨学院の初戦の担当で、菰田の最初の打席で飛び出した甲子園初アーチを実況した。彼は昨年から取材しているが、最上級生になって主将を任され、抽選会前日の「キャプテントーク」では、他校の主将たちからも一目置かれる存在となっていた。

 それでも気さくに話しかけに応じ、自身の甲子園経験を伝えるなど、「主将の中の主将」と感じさせるほどの成長ぶりだった。そして迎えた長崎日大との1回戦。吉田洸二監督(56)は、菰田を「2番一塁手」でスタメン起用し、中盤以降での救援登板を想定していた。

5回に悪夢。打者走者と交錯し左手を負傷

 試合は菰田の一発で勢いづいた山梨学院が初回に一挙5得点し、主導権を握る。先発に抜てきされた左腕・渡部瑛太(2年)も力投。山梨学院が中盤まで優位に展開したが、5回裏に悪夢が待っていた。ゴロ処理を焦った三塁手の送球が本塁方向に逸れ、捕球しようとした菰田と打者走者が交錯。筆者は、「ボールがこぼれた!菰田大丈夫か、これは心配です。左腕を押さえています」と実況した。痛がり方が尋常ではなく、ミットは吹き飛んでいた。手当をして戻ってきたあとも、捕球で痛そうなそぶりを見せていて、これでは救援登板はおろか、バットを振ることも無理だろう。実況しながらそう感じていた。

菰田の2回戦以降のベンチ入りは?

 菰田は結局、途中交代し、ベンチでは患部を冷やしていたが、試合終了時には添え木で固定するなど、深刻な状態であることは明らかだった。試合は5-3で逃げ切ったが、吉田監督の表情は暗く、「菰田は痛みに強い選手だが、あんなに痛がったのは初めて」と、ショックを隠し切れない様子だった。「二刀流」としては、名刺代わりの一発を放ったものの、マウンドは夏までお預けとなりそうだ。今後については24日に学校関係者が会見する予定で、ベンチ入りの可否も含め、明らかになる。主将としては大会前、「皆が余裕を持てるような言葉をかけたい」と話していて、ベンチにいるだけでも頼りになる。山梨学院は、菰田の不在をどこまでカバーできるか。チーム一丸となることを期待したい。

沖縄尚学の末吉は、失策から崩れる

 昨夏の覇者で夏春連覇の期待が懸かった沖縄尚学は、開幕戦で帝京(東京)に3-4で敗れた。昨夏の活躍で、下級生で唯一、日本代表に選ばれた左腕・末吉良丞(3年)は、苦しみながらも7回をゼロに抑えたが8回、先頭打者の失策をきっかけに崩れて、逆転を許した。1点リードで終盤に入るまでに追加点があれば、末吉も楽だっただろう。展開次第では、いいタイミングで右のエース・新垣有絃(3年)につなぐこともできたはずだ。末吉の自責はゼロで、守りも含めてエースを援護できなかったのが惜しまれる。

横浜の織田は奮闘も、打線が完封を許す

 センバツ連覇を狙った横浜は、エース・織田翔希(3年)が神村学園(鹿児島)を相手に奮闘。序盤に2点を失ったものの、決して不本意な投球ではなかった。こちらも打線がエースを援護できず、神村の龍頭汰樹(3年)に完封負け(スコアは0-2)。龍頭は気迫あふれる投球で、持ち前の制球力を発揮。最後まで横浜につけ入るスキを与えなかった。ここまでの投球をされれば、脱帽するしかない。

チーム状態が大きく変化し、優勝争いは混とん

 それぞれの連覇を狙った沖縄尚学と横浜の夢は初戦で散り、世代屈指の投手は夏に雪辱を期す。末吉も織田も、大会後に行われる高校日本代表候補の合宿に呼ばれることは確実。全国の猛者たちも、彼らを目標にしている。そして大会はここから盛り上がる。DH制もあってか、例年以上にチーム状態に大きな変化が出ていて、優勝争いは混とんとしてきた。