今を輝くプロ野球選手たちの高校時代【中日編】
夏の甲子園を制覇した“エース&守護神”、新4番は投手として春優勝
小笠原(中日)は”ダブルエース”の一人として2015年の夏を制した
第105回目を数える夏の甲子園大会へ向けて、高校球児たちがすでに熱い戦いを繰り広げている。今回は彼らの「先輩」であるプロ選手たちの高校時代にスポットライトを当てる。
セ・パ12球団別に選手3名ずつをピックアップし、甲子園での活躍を振り返りたい。今回は中日編だ。今をときめくスター選手の高校時代を振り返るとともに、ぜひ先輩たちの後を追いかける高校球児の活躍もチェックしてほしい。
セ・パ12球団別に選手3名ずつをピックアップし、甲子園での活躍を振り返りたい。今回は中日編だ。今をときめくスター選手の高校時代を振り返るとともに、ぜひ先輩たちの後を追いかける高校球児の活躍もチェックしてほしい。
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小笠原慎之介:東海大相模(神奈川)
プロ入り以降、一歩ずつ成長しながら昨季自身初の2ケタ勝利を挙げ、今季はさらに先発ローテーションとして存在感を増している左腕は、甲子園優勝投手の肩書を背負っている。
中学時代にU-15日本代表にも選ばれ、強豪・東海大相模でも1年春からベンチ入りした。2年時夏に同級生の吉田凌(現オリックス)を含めた「140キロカルテット」として注目を集めて甲子園に出場。初戦で松本裕樹(現ソフトバンク)を擁する盛岡大付(岩手)と対戦し、2番手として救援登板して1回1/3イニングを1安打3奪三振無失点に抑えたが、惜しくも3対4で敗れた。
その悔しさを胸に3年となった2015年夏、ひと回りもふた回りも大きくなって聖地に帰ってくる。吉田との「ダブルエース」で、県大会で27イニングを投げて30奪三振、防御率0.00という圧倒的なピッチングで激戦区・神奈川を制する。迎えた甲子園では、初戦の聖光学院(福島)戦の9回にリリーフ登板して151キロを計測すると、続く遊学館(石川)戦は先発して8回を6安打2失点の好投。準々決勝は4回途中からマウンドに上って5回1/3を2安打無失点の好救援でチームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
そして準決勝ではオコエ瑠偉(現巨人)を擁した関東一を下し、決勝戦では佐藤世那(元オリックス)、平沢大河(現ロッテ)、郡司裕也(現日本ハム)を擁した仙台育英(宮城)に勝利。最後は9回を9安打6失点(自責5)の完投に加え、自ら9回に決勝アーチを放って頂点に立った。
この年の夏に45年ぶり2度目の優勝を飾った東海大相模は、2021年には春3度目の優勝を飾った。その後、小笠原も教えを受けた門馬敬治監督が退任し、原俊介監督のもとで新たなスタートを切っている。今夏は4年ぶりとなる夏の甲子園出場を目指し、7月20日に準々決勝・桐光学園戦を迎える。
中学時代にU-15日本代表にも選ばれ、強豪・東海大相模でも1年春からベンチ入りした。2年時夏に同級生の吉田凌(現オリックス)を含めた「140キロカルテット」として注目を集めて甲子園に出場。初戦で松本裕樹(現ソフトバンク)を擁する盛岡大付(岩手)と対戦し、2番手として救援登板して1回1/3イニングを1安打3奪三振無失点に抑えたが、惜しくも3対4で敗れた。
その悔しさを胸に3年となった2015年夏、ひと回りもふた回りも大きくなって聖地に帰ってくる。吉田との「ダブルエース」で、県大会で27イニングを投げて30奪三振、防御率0.00という圧倒的なピッチングで激戦区・神奈川を制する。迎えた甲子園では、初戦の聖光学院(福島)戦の9回にリリーフ登板して151キロを計測すると、続く遊学館(石川)戦は先発して8回を6安打2失点の好投。準々決勝は4回途中からマウンドに上って5回1/3を2安打無失点の好救援でチームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
そして準決勝ではオコエ瑠偉(現巨人)を擁した関東一を下し、決勝戦では佐藤世那(元オリックス)、平沢大河(現ロッテ)、郡司裕也(現日本ハム)を擁した仙台育英(宮城)に勝利。最後は9回を9安打6失点(自責5)の完投に加え、自ら9回に決勝アーチを放って頂点に立った。
この年の夏に45年ぶり2度目の優勝を飾った東海大相模は、2021年には春3度目の優勝を飾った。その後、小笠原も教えを受けた門馬敬治監督が退任し、原俊介監督のもとで新たなスタートを切っている。今夏は4年ぶりとなる夏の甲子園出場を目指し、7月20日に準々決勝・桐光学園戦を迎える。
清水達也:花咲徳栄(埼玉)
威力十分のストレートと鋭いフォークを武器に、すっかり勝利の方程式の一角を担っている23歳は高校時代、剛腕クローザーとして甲子園の頂点に立った。
1年夏からベンチ入りするも1学年上に絶対的なエース・高橋昂也(現広島)がいたために出番が少なく、2年秋から背番号1を背負った。そして2017年の3年夏、綱脇慧(現ENEOS)との継投リレーで埼玉県大会を制すると、甲子園では西川愛也(現西武)、野村佑希(現日本ハム)の3、4番コンビを軸とした打線が全試合で2ケタ安打&9得点以上を奪った中、チームの“守護神”として全6試合にリリーフ登板した。
力でねじ伏せた。初戦の開星(島根)戦での1回無安打無失点から、日本航空石川(石川)戦で2回2/3を1安打無失点、3回戦の前橋育英(群馬)戦で2回1/3を3安打無失点、準々決勝の盛岡大付(岩手)戦で1回無安打無失点と、いずれもリリーフ登板で完璧なピッチングを披露する。4回途中から登板した準決勝の東海大菅生(西東京)戦では、土壇場の9回に大会初失点して延長に持ち込まれるも、延長戦の末に勝利。自身は7回2/3を投げて6安打2失点だった。
決勝では、同大会で個人最多記録となる6本塁打を放っていた中村奨成(現広島)を擁する広陵(広島)を相手に、リリーフで5回を6安打1失点に抑える力投を披露し、胴上げ投手になった。個人としては計21イニングを投げて17安打、14奪三振、自責3の防御率1.29。チームとしては、埼玉県勢初の夏の甲子園優勝だった。
花咲徳栄は、その後も甲子園出場はあるが上位には進出できていない。まずは今夏、昌平や浦和学院などのライバル校を抑えて埼玉を制することができるか。7月21日に4回戦を戦う。
1年夏からベンチ入りするも1学年上に絶対的なエース・高橋昂也(現広島)がいたために出番が少なく、2年秋から背番号1を背負った。そして2017年の3年夏、綱脇慧(現ENEOS)との継投リレーで埼玉県大会を制すると、甲子園では西川愛也(現西武)、野村佑希(現日本ハム)の3、4番コンビを軸とした打線が全試合で2ケタ安打&9得点以上を奪った中、チームの“守護神”として全6試合にリリーフ登板した。
力でねじ伏せた。初戦の開星(島根)戦での1回無安打無失点から、日本航空石川(石川)戦で2回2/3を1安打無失点、3回戦の前橋育英(群馬)戦で2回1/3を3安打無失点、準々決勝の盛岡大付(岩手)戦で1回無安打無失点と、いずれもリリーフ登板で完璧なピッチングを披露する。4回途中から登板した準決勝の東海大菅生(西東京)戦では、土壇場の9回に大会初失点して延長に持ち込まれるも、延長戦の末に勝利。自身は7回2/3を投げて6安打2失点だった。
決勝では、同大会で個人最多記録となる6本塁打を放っていた中村奨成(現広島)を擁する広陵(広島)を相手に、リリーフで5回を6安打1失点に抑える力投を披露し、胴上げ投手になった。個人としては計21イニングを投げて17安打、14奪三振、自責3の防御率1.29。チームとしては、埼玉県勢初の夏の甲子園優勝だった。
花咲徳栄は、その後も甲子園出場はあるが上位には進出できていない。まずは今夏、昌平や浦和学院などのライバル校を抑えて埼玉を制することができるか。7月21日に4回戦を戦う。
石川昂弥:東邦(愛知)
地元出身のスラッガー、新たな竜の4番として大きな期待を背負う男は、センバツ大会で優勝を経験した。
1年春からベンチ入りし、1年秋から「4番・サード」に座り、東海大会3試合で打率.429、2本塁打、6打点と、早くも大器ぶりを見せ付けた。だが、2年春に出場した2018年のセンバツ大会は、花巻東(岩手)相手に初戦敗退。自身も4打数無安打に抑え込まれた。そして2年夏も県大会で敗れて甲子園にはたどり着けなかった。
だが、翌2019年の春、今度は「エース兼主砲兼主将」として出場すると、初戦の富岡西(徳島)戦で9回1失点&1安打2打点、続く広陵(広島)戦で6回無失点&2安打1本塁打2打点と投打に活躍する。続く準々決勝の筑陽学園(福岡)戦で7回2失点、準決勝の明石商(兵庫)戦では9回2失点で中森俊介(現ロッテ)に投げ勝った傍ら、打者としては2試合連続無安打に終わったが、決勝では習志野(千葉)を相手に2本塁打を放って3安打4打点と爆発すると、投げても9回を3安打無失点に抑える完璧な“二刀流”で優勝を果たした。
注目された3年夏は、県大会の2回戦で早期敗退するも、その後のU-18W杯では佐々木朗希(現ロッテ)、奥川恭伸(現ヤクルト)、西純矢(現阪神)、宮城大弥(現オリックス)と錚々たる投手陣を揃えた中、「4番・指名打者」として出場した。そのままプロでは高校通算55本塁打の長打力を活かして打者として勝負している。
東邦は今春、優勝した年以来のセンバツ出場を果たしたが、3回戦で報徳学園に延長タイブレークの末に敗れた。そのリベンジを果たすためにも、まずは群雄割拠の愛知県大会を勝ち抜けるか。7月21日に4回戦を戦う。
1年春からベンチ入りし、1年秋から「4番・サード」に座り、東海大会3試合で打率.429、2本塁打、6打点と、早くも大器ぶりを見せ付けた。だが、2年春に出場した2018年のセンバツ大会は、花巻東(岩手)相手に初戦敗退。自身も4打数無安打に抑え込まれた。そして2年夏も県大会で敗れて甲子園にはたどり着けなかった。
だが、翌2019年の春、今度は「エース兼主砲兼主将」として出場すると、初戦の富岡西(徳島)戦で9回1失点&1安打2打点、続く広陵(広島)戦で6回無失点&2安打1本塁打2打点と投打に活躍する。続く準々決勝の筑陽学園(福岡)戦で7回2失点、準決勝の明石商(兵庫)戦では9回2失点で中森俊介(現ロッテ)に投げ勝った傍ら、打者としては2試合連続無安打に終わったが、決勝では習志野(千葉)を相手に2本塁打を放って3安打4打点と爆発すると、投げても9回を3安打無失点に抑える完璧な“二刀流”で優勝を果たした。
注目された3年夏は、県大会の2回戦で早期敗退するも、その後のU-18W杯では佐々木朗希(現ロッテ)、奥川恭伸(現ヤクルト)、西純矢(現阪神)、宮城大弥(現オリックス)と錚々たる投手陣を揃えた中、「4番・指名打者」として出場した。そのままプロでは高校通算55本塁打の長打力を活かして打者として勝負している。
東邦は今春、優勝した年以来のセンバツ出場を果たしたが、3回戦で報徳学園に延長タイブレークの末に敗れた。そのリベンジを果たすためにも、まずは群雄割拠の愛知県大会を勝ち抜けるか。7月21日に4回戦を戦う。