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高校野球あれこれ 第53号

夏の甲子園! 大阪桐蔭Vなら3度目の春夏、智弁和歌山なら7校目の夏連覇

 

8月6日、甲子園で開幕予定の第104回全国高校野球選手権の組み合わせが決まった。49チーム中14チームに優勝経験があるという、豪華な顔ぶれとなった。

 

 ダントツの優勝候補は、なんといってもセンバツで優勝した大阪桐蔭。もし春夏連覇を達成すれば、破天荒な3度目の偉業となる。前年夏に優勝し、史上7校目の夏連覇を目ざす智弁和歌山は第8日第3試合と、不利といわれる49番目のしんがり登場だが、実は昨夏も、初戦の対戦相手がコロナ禍で辞退したため、実質の出番はしんがりだった。

 

 抽選では、ベスト8までの組み合わせが決まるが、死のゾーンと噂なのが第3日第3試合からの8チーム。敦賀気比興南、横浜、日大三、三重と、全国制覇経験組5校が集中しているのだ。ベスト8進出は、そこからわずか1校……。

 

 独断で8強の顔ぶれを予想すると、決定順から仙台育英高松商一関学院/天理/下関国際/智弁和歌山/横浜/大阪桐蔭あたりかなぁ……。

 

 ちなみに大阪桐蔭は春夏、智弁和歌山は夏連覇に挑むが、センバツ夏の甲子園で、どちらかの大会を2年続けて優勝するのが春連覇、夏連覇。同一年に春と夏を優勝するのが春夏連覇で、夏と翌年の春を優勝すれば夏春連覇だ。

 

 過去に達成された回数を目安にすると、新年度でチームがまるっきり入れ替わる春連覇の難易度が高いか。夏春連覇も似たような事情だが、年度は替わるにしても、達成チームには夏優勝の主力がそのまま残ったケースが多い。

 

過去の各連覇達成例

■夏連覇

 

1921〜22年 和歌山中(現桐蔭)

 

1929〜30年 広島商

 

1931〜33年 中京商(現中京大中京・愛知)※3連覇

 

1939〜40年 海草中(現向陽、和歌山)

 

1947〜48年 小倉中・小倉(福岡)

 

2004〜05年 駒大苫小牧南北海道

 

■春連覇

 

1929〜30年 第一神港商(現神港橘・兵庫)

 

1981〜82年 PL学園(大阪)

 

2017〜18年 大阪桐蔭

 

夏春連覇

 

1930〜31年 広島商

 

1937〜38年 中京商

 

1960〜61年 法政二(神奈川)

 

1982〜83年 池田(徳島)

 

春夏連覇

 

1962年 作新学院(栃木)

 

1966年 中京商

 

1979年 箕島(和歌山)

 

1987年 PL学園(大阪)

 

1998年 横浜(神奈川)

 

2010年 興南(沖縄)

 

2012年 大阪桐蔭

 

2018年 大阪桐蔭

 

 根尾昂(現中日)らがいた大阪桐蔭は、史上初の同一校による2度目の春夏連覇を達成したわけだが、それから間もないのに、今度は3度目の挑戦権を手にしているとは……。

 

 また、こちらも史上唯一なのが、上でもふれている1931〜33年、中京商の夏3連覇だ。惜しいケースはある。和歌山中は連覇後の23年、決勝で敗退。49年の小倉北(小倉から一時改称)は準々決勝で敗れ、06年の駒大苫小牧も決勝引き分けと3連覇寸前まで手が届きながら、再試合で敗れている。

 

 いまだに達成されていないのが春夏春、あるいは夏春夏という3季連続優勝だ。社会人野球なら2012〜13年のJX-ENEOS(現ENEOS)が、都市対抗〜日本選手権〜都市対抗という、夏秋夏の3連覇を達成している。社会人チームの場合、引退はあるにしても、主力選手の"卒業"が少ないからね。

 

 高校野球ではそもそも、3季連続で出場すること自体が大変で、春夏連覇のあと翌年センバツに出場したのは99年の横浜と13年の大阪桐蔭があるが、横浜は初戦敗退、大阪桐蔭は3回戦で敗れた。また、「夏春夏」に挑戦したのも過去わずか2校。61年の法政二と83年の池田で、ともに準決勝まで進んだから惜しかった。

 

 ちなみに大阪桐蔭は、昨年秋の神宮大会を制している。神宮大会が現行のような日本一決定戦になったのは97年あたりで、「秋春」連覇は3校目のことだ。大阪桐蔭がさらに夏も優勝すると、松坂世代の横浜以来、史上2校目の「秋春夏」制覇となるが、果たして……。

 

余談ですが今年も東北勢が強いなー

 

 

 

 

 

 

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