春の近畿大会は、大阪桐蔭、報徳の実力ワンツーが不在!
昨秋の優勝校が全て敗退した近畿の夏はどうなる?
春の近畿大会は、兵庫の明石トーカロ球場で今週末から開催される。地元・兵庫から3校、残る府県からは優勝校が出場し、計8校での優勝争いとなる。組み合わせは以下の通り。
A、社(兵庫1位)-天理(奈良)
B、明石商(兵庫3位)-京都国際
C、須磨翔風(兵庫2位)-大阪学院大高
D、滋賀学園-智弁和歌山
準決勝 A-B、C-D
秋とは一変した顔ぶれに
まず、センバツ出場校は京都国際の1校だけ。今季の近畿で実力双璧とみられるセンバツ準優勝の報徳学園(兵庫)、同8強の大阪桐蔭は不在となっている。また昨秋に続く出場も、社、須磨翔風(タイトル写真)、滋賀学園だけで、半数の4校の顔ぶれが変わった。ちなみに昨秋の近畿大会には16校が出場し、センバツには21世紀枠の田辺(和歌山)を含め、7校が選ばれている。さらに踏み込むと、2府4県の秋の優勝校は全て敗退していて、京都と滋賀は決勝が同じ顔合わせながら、勝敗が入れ替わった。近年の近畿では、極めて珍しい現象と言える。
大阪学院大高は昨秋の大阪3強を完全撃破
今春、特に大きな話題となったが大阪学院大高の躍進で、大阪大会4回戦で履正社を破ったのを皮切りに、準々決勝では大阪桐蔭を9回に逆転した。さらに決勝では興国も破り、昨秋の近畿大会出場3校を完全撃破した。この勢いが春の近畿大会でも続けば、実力は本物。夏の本番につながることは間違いないだろう。一方、秋に不振だった天理、智弁和歌山はきっちり巻き返していて、夏に向け、近畿大会で自信を深めたい。
兵庫の公立3校は手堅い野球
近畿大会の展望であるが、公立3校で挑む兵庫勢の戦いぶりに注目したい。いずれも投手を軸にした堅実な野球が身上の、いかにも兵庫らしいチームだ。
1位の社は、昨夏の甲子園でも投げたエース・福田海晴(3年)が、1年から主軸の松本大和(3年)ら、天理の強打をいかにかわすか。明石商の相手の京都国際は、エースの中崎琉生(3年)に加え、同じ左腕の西村一毅(2年)も頭角を現してきた。翔風は、エース・槙野遥斗(3年)が粘りの投球で、大院大高の勢いを止めたい。
大院大高の今坂、滋賀学園の岩井に注目
滋賀学園と智弁和歌山は好カード。滋賀学園の左右の好投手に、智弁和歌山の強打というわかりやすい構図で、特に智弁和歌山は、1年生の新戦力にも注目したい。また今大会には、好遊撃手がいる。大院大高の今坂幸暉(ともき・3年=主将)は、走攻守ともトップクラスで、打撃では要所での勝負強さが光る。
滋賀学園の岩井天史(てんすけ=3年)は184センチの長身で、課題の打撃にも磨きがかかってきた。将来性を評価する声が高い。
今夏の近畿はいつも以上の波乱か?
前述のように、今春は各府県で波乱が相次いだが、報徳や近江(滋賀)は明らかに新戦力を試した印象で、今春は本番に向けての地固めと位置付けていた。大阪桐蔭は野手陣の攻守両面での課題が鮮明になり、看板の投手陣を生かせていない。これら本命視される強豪が、短期間でいかに巻き返すか。京都の準決勝、3位決定戦で連敗した龍谷大平安や、ライバル・天理に完敗した智弁学園(奈良)も黙ってはいないだろう。激戦・近畿の今夏は、いつも以上に波乱の要素が多い。