【日本ハム】ドラ1大学ナンバーワン左腕・細野晴希 即戦力ではなく1年目は「育成専念」のなぜ
あくまで将来を見据えての「熟成」なのだろう。日本ハムのドラフト1位・細野晴希投手(21=東洋大)が球団側から破格とも言える「長期育成プラン」を打ち出され注目されている。
大学ナンバー1左腕の呼び声が高い細野は17日に東洋大・白山キャンパス内で球団スカウトらと入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高、年俸1300万円(金額は推定)で仮契約に合意した。
その後、会見に臨んだ細野は笑みを浮かべながら「これからプロの世界でやるんだという気持ちが強くなってきた。(球団側から)最終的にすごい選手になってもらいたいと言われたので。モチベーションが上がったというか、やってやろうという気持ちが強くなった」とプロでの意気込みを語った。
最速158キロに加え多彩な変化球を持ち合わせる大型左腕。そんなドラ1投手であれば通常はプロ1年目から「即戦力」として先発ローテーション入りが期待される。だが日本ハムには意外にも、その青写真がないという。一体なぜなのか。細野の潜在能力を最大限に引き出し、最終的に日本を代表する大型投手に成長させたい球団側の意向があるからだ。
細野はドラフト前から「直球の威力は抜群もコントロールが…」と周囲から言われるように制球難が課題。実はこの点が「外れ外れ1位」というドラフトでの評価につながった。球団側もそんな細野の弱点を把握済み。とはいえ、制球難さえ克服すれば直球の威力を含め世界で戦えるほどの逸材とみている。だからこそ大卒にもかかわらず、あえて即戦力ではなく長期育成プランで入念に育てたいというのだ。
この日、細野の会見に同席した大渕GM補佐兼スカウト部長もこう話す。「もう一度整理して育成プランを立てようと思っています。そういう話は本人としました。あなたが登っている山(目標)は大きい山だから、別に焦って登らなくていいよ、と。中途半端に即戦力になることもできるけど、もっと大きく育てるために今は使わなくていいのかな、という考えもあるので。(将来的に)日本代表で戦う投手だと思いますからね」
細野はこの日の会見でプロ1年目の目標を聞かれ「ドラフトで他の東都のメンバーたちが呼ばれていくのを見て悔しい思いがあったので。少しでもチームに貢献できた結果が新人王であったりタイトルにつながれば」と述べ、ルーキーイヤーからの躍進に意欲を燃やしていた。しかしながら、まずは焦らず課題克服とプロ仕様の体作りに全力を注ぐことになりそうだ。
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